映画やドラマの物語って、つくづく都合いいな。って思う事があります。
・苦労しながら、敵を倒した、やったね!
・幸運に恵まれて、宝物を持ち帰った、いいね!
・紆余曲折を経て、恋愛が実った、ばんざい!
たいがいスッキリ!と終わるようにできています。
でも、実際のところ、人生はスッキリ!とした後も、続いていくのです。
例えば項羽と劉邦。
権力者、始皇帝亡き後、国をまとめた項羽。
ここでスッキリ!と物語を終える事もできたはずです。
しかし、そのあと、苦労人の劉邦が逆転を成し遂げて前漢は成立します。
物語は頑張って来た甲斐があったね。と、スッキリ!なエンディングを迎えるのですが、史実はやはり続きがあります。
この逆転劇を作ってきた劉邦配下の忠臣達が、皇帝の権力維持のために次々と殺されていきます。
いわば天下取りの冒険活劇から、反逆におびえる権力者の粛清劇へと歴史は進んでいくのです。
このように、いい事も悪い事も含めて、人生はどんどん進んでいく。
一つの事を成し遂げても、幸せな瞬間は一瞬で、もう人生という物語は次のステージへ進んでいく。
そんなものなんでしょうね。
ティト・ビラノバ。
サッカー界の歴史を替えたグアルディオラの後を受け、バルセロナで史上最高の勝ち点を記録した監督。
バルサ百年史で最も勝利を重ねた監督として、永遠にその名が刻まれる、まさに生ける伝説です。
耳下腺ガンという難しい病気と闘いながら、一時は休養を取りながらの偉業。
物語で言うと、スッキリ!のエンディングを迎えました。
そして今シーズン。
南米最後の天才、ネイマールを迎えての新シーズンがようやく始まった週末。
定期検診の結果が思わしくなく、突然の監督辞任。
ガンという病気。
これもまた、スッキリ!というエンディングの後も人生が続く病気ですよね。
完治した、結果も順調。スッキリ!
そこで物語が終わると気分がいいのですが、再発もします。
そして、再び寛解へ向けて様々な処置がとられます。
特にビラノバが抱えてるのは、耳下腺ガンという治療が非常に難しい場所だそうです。
闘病の中で、様々な苦労があったのでしょう。
元プロサッカー選手だけあって、長身のガッチリ体型だった彼も、二度の闘病でずいぶん痩せてしまいました。
普段記者会見では見せない、太もも周りも、今では気の毒なぐらい細く、弱々しく見えます。
これ以上は続けられないという事で、突然の辞表だったそうです。
本人のショックも、相当なものだったと聞いています。
後任の監督も、まだ決まっていない状態ですが、スポーツの結果なんて二の次です。
命あっての人間です。
ティト、どうか頑張って。
良くても、悪くても、人生は続くんです。
こんなところで終わるんじゃない!
今度は、復活劇を必ず見せてくれ!
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